ケーキスタジオシュクルです。
今更なんですが(笑)皆さま、シュガークラフトってご存じでしょうか?
お砂糖を使ったクリームを絞り出したり、お砂糖で作った粘土状のペーストでお花を作ったりするケーキデコレーティングの技術です。
これがお砂糖で出来ているの?と思うくらい精巧なものも作れます。
ここ数年、アイシングクッキーがブームになりました。
アイシングクッキーのテクニックは、実はほとんど全てと言っていいほど、シュガークラフト由来です。
なので、このところアイシングクッキーを入り口にして、シュガークラフトをやってみたい!という方が増えました。
とても嬉しいことです。
シュクルでは、実は30年前からシュガークラフトのクラスを開催しています。
細かい作業ですし、時間も掛かりますので、これはやっぱり好きでないと。。。なのですが、好きな人にとっては至福の時間です。
粘土状のペーストを使って作ったお花は、元々のペーストに色を付けますが、更に表情を着けるために、カラーダストという粉末状の色素を使います。ダスティングパウダーとも言います。
あれ?食紅って粉末じゃないの?と思われたかも知れません。一般にスーパーなどで販売されている食用色素は、濃縮された色の粉のようなもの、と言いましょうか。これは水に溶いて使います。
それとは違って、カラーダストは同じような色の粉ですが、ちょうどお化粧品のようなもの。チークやシャドウのように、粉のまま筆や刷毛にとって使います。お顔が立体的になるように、色を乗せることで花びらの表情を出すことができます。上の画像のブーケにもカラーダストを使っていますが、一番わかりやすいのはデージーの花芯の部分だと思います。中心から外側に黄色と薄い緑色をダスティング(カラーダストを付けること)しています。
これは作業途中に撮ったので、あまりいい画像ではありませんが、白いお花にカラーダストで色付けしたものです。
こういう縁の方だけ色の付いているお花って多いですよね。
こちらのクッキーでは、バラの中心部分を少し濃くしたり、蝶々の羽をグラデーションにしています。
これもカラーダストでの色づけです。
こんな風にカラーダストはとてもお利口!
少しカラーを足すだけで、作品にうんと奥行きが出ます。
ところが、今の日本ではカラーダストはほとんど全てと言っていいくらい輸入品。
イギリスやアメリカからの輸入が多いです。
日本と欧米諸国では、食用として認められている色素の種類が違っていて、海外では食用でも、日本では使用不可のものが多くあります。
その反対に、日本ではOKでも、外国ではダメというものも……。
特にEUとは見解の相違なのか何なのか?ヨーロッパ諸国で使用頻度の高い色素が、日本では使用不可になっています。
そのため、イギリスの色素はとても素敵なカラーが多いにもかかわらず、国内では使えるものが多くありません。
また海外の製品に関しては、色素関係は添加物になりますので、なかなかに審査が厳しく、多額の経費がかかります。
ネットの時代ですから個人輸入などで販売されたりしていますが、きちんと認可が取れていないものを食品に使用することは、法律違反になってしまいます。
そのため、国内で販売されているカラーダストは、ほぼ全てが『手芸用』として扱われています。
つまり食品には使えない、ということです。
国内で食品にも使えるカラーダストが作れたらいいなぁと、長年思ってきました。
クマちゃんやウサコのクッキーのほっぺに、頬紅みたいにちょっとピンクをはたきたい。
上の画像はメレンゲポップスですが、ウサコの耳とほっぺにカラーダストを使っています。
絞った葉っぱに、少し色の違うグリーンをのせて陰影を付けたい。
アイシングクッキーやメレンゲを作っていると、そんな使い方をしたいな~と思ってしまいます。
ちょっと色をのせるだけで、見違えるほど生き生きとしてきます。
そんな風に思って、ふと作り方を思い付いては試し、うまく行かなくてしばらく放置。
また違う方法を思い付いては試し。。。そんなことを何年続けていたでしょうか。
でも悲しいことに、海外製のカラーダストのようにはうまく色が付かない。。。そしてまた放置。その繰り返しでした。
とにかく、どんな方法を試しても、色がちゃんと付かない。
いえ、薄っすらとは付くんです。
そして、ペーストが乾く前なら、少しは濃く付きます。
でも、いわゆるカラーダストには全く及ばない。
もう何かが全然違う。。。
去年、コロナ巣ごもりもさすがに飽きてきて、ちょっと本気で取り組もうと思ったのが秋頃。
今までは思い付いたことをあれこれ試行錯誤していましたが、今回は躓いた部分を調べようと思いました。
もうもうもう、あらゆるメーカーさんに何十本の電話をかけ、何十通の質問と依頼と御礼と報告のメールを書いたでしょうか。
勢いって怖いですねぇ(笑)。
そして幸か不幸かコロナのせいでステイホームですから、インドアワークは捗る!
1ヶ月くらいは寝ても覚めてもカラーダストでした。
でも、どのメーカーさんも親切で、こんなワケのわからない(まずシュガークラフトの説明からスタートです)質問や依頼に、本当に真摯に対応してくださいました。感謝しかないです。
あちこちのメーカーさんに、いろいろと専門的なことを教えていただきました。
今回、このプロジェクトを通じて感じたことは、皆さん、ご自分の仕事に誇りと愛情を持っていらっしゃるんだなぁと言うこと。
でないと、こんな専門的なことがまるで分かっていない相手に、イチから説明したりのきちんとした対応をしてくださるはずありません。
やっぱりね、人生は『愛』だよ。
でまぁ、前置きが長すぎですが、結論。
お陰さまで国産の食用色素を使ったカラーダストが作れました!
どんなにしても付かなかったカラーが、ちゃんと付いたときの嬉しさ!!
私は登山は絶対にしませんが、頂上を踏破したときの気持ちが理解できました(たぶん)。
これを製造して、販売できれば何よりなのですが、「食用色素は添加物」という高いハードルがあります。
現在、私の持っている菓子製造の許可では、残念ながら製造ができません。
そして、新たに設備を作るだけの余力が、私にはありません。
でも、食品として使えるカラーダストが欲しい人は必ずいるはず!
なので、作り方のワークショップをすることにしました。
欲しい色も、きっとそれぞれ違いますから、好きな色をご自分で作っていただく!
実際に私も作っていますが、基本の三原色で、ほぼどんな色でも作れます。
ご自身で揃えていただく道具もいくつかありますが、もうカラーダストを買う必要はなくなると思います。←今、世界のカラーダスト屋さんを敵に回した(笑)。
◆このレッスンで学ぶこと
・色素について
・希釈について
・混色について
・カラーダストの作り方
このワークショップは、対面・オンラインの両方を承ります。
時 間・ 約2時間
日程はご相談ください。
開催日の1週間前までのご予約をお願いいたします。
講習料・ 22,000円(税、教材、送料込み)
教材・色素(5色)、容器(10個)
ご自身でご準備いただくもの(対面・オンライン共通)
乳鉢、0.1g単位が測れる計量器、食品使用可の筆(購入先のご紹介あり)
オンラインの場合は他にもご用意いただくものがありますが、お申し込み時にお知らせ致します。
色素は希釈して使います。
希釈する割合(色の濃さ)にもよりますが、現在、色素を通常の2倍量(期間限定)をキットにおつけしていますので、およそ200~300gのカラーダストが作れます。
一般的に販売されている海外製のカラーダストは、1個2~3gくらいのものが多いです。
(日本でも買いやすいSugar Flairのものは、色によって1.5~2g入りです。)
私自身は、色を作るときには最初1g程度を混色し、必ず配合を残しています。
良く使う色は、また作ればいいので!
混色レシピは、受講者の皆さまにいつでもご覧頂けるよう、鍵付きアカウントにまとめています。
1名様より開催いたします。
また、申し訳ありませんが、お子様の同伴はご遠慮ください。
メール、もしくはLINE公式アカウントでお申し込み後、お振込口座をご連絡いたします。
講習料のご入金を確認後、ご予約完了となります。
ご希望の日程がありましたら、遠慮なくお問い合わせください。
お申込み方法とレッスン規約について、お知らせしています。
お申込み前にこちらを、必ず最後まで良くお読みください。 お申込みの時点で、ご了承いただいたものといたします。
新型コロナウィルス対策について、お知らせしています。
たくさんの方のご参加をお待ちしています。