実りの季節

あんなに暑かった日々も、気が付けば朝晩は肌寒いくらいに涼しくなりました。
そしてあっと言う間に寒くなるんですよねぇ。
このつかの間の秋、信州はたわわな実りの季節です。

うちの周りは、ブドウや梨やりんごの果樹園に囲まれています。
春からずっと、花が咲いて小さな結実を迎え、その青い実が少しずつ大きくなっていく様子を見ながら、日々を暮らしています。
なので秋になって、ある日畑の彩りがなくなり、収穫されたのを見ると何だかホッとします。
台風や雹や霜や、そんないろんな困難がときには果実たちを襲いますが、それらに遭わずに収穫できたことは何よりです。
今年は、春は気温が上がらず、夏は雨が少なく、果実にとっては少々過酷な気候のようでした。
でも近くの直売所には、沢山の果物が並びつつあります。
ファーマーズや道の駅などの直売所の品物には、それぞれ作った人の名前が記されています。
小さい頃から知っている男の子の名前をそこに見つけると、つい手に取ってしまう。
大人になって、その辺で会っていてもこちらはわからないような気がしますが、それでも食べるときに、ああ、あの子が育てたんだなぁと思うと、ちょっぴり嬉しいです。

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そんなりんごをたっぷり使って、シナモン風味のタルトに仕上げました。
りんごは、生のまま並べて焼き込みます。
煮てからお菓子に使うりんごも美味しいですが、生のまま焼き込むと、生地の部分にりんごの味が移って、秋の味だなぁとしみじみ思います。
このタルトは、あるお客様の息子さんがとても気に入ってくださって、毎年お誕生日にはコレ!と決めてオーダーしてくださっていました。
このタルトを焼くと、思い出します。

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こちらは、ブルーベリーをチョコレートで固めたムース。
チョコレートはホワイトチョコレートを使います。
この前、ラ・ヴィエイユ・フランスの木村シェフに教わったレシピを元に作ってみたのですが、これがなかなか!
何がなかなか!かと言いますと、手持ちのホワイトチョコで作ったら、味が全然違う!!!
試食のときにとても美味しくて、絶対作ってみた~い、と思って作ったのに、なんでなんで??と思い、講習のときにシェフが使われたメーカーのチョコを取り寄せて貰いました。
素材が違うと、出来上がりの味が違ってくるのは往々にしてあることですが、こんなに違いが大きいことは初めてです。
ということでね、問屋さんに無理を言って、このメーカーのチョコレートを小分けで扱って貰うことになりました。
ホワイトチョコレートは苦手、という方も多いのですが、このチョコはそのまま食べても後味がしつこくなく、本当に美味しい。
小さいコイン状なので、そのまま食べちゃうことの方が多いかも(おいおい(笑))。

そんなこんなで、レシピを作るって本当に面白いです。
素材を口にして、そのものの味、鼻に抜ける芳香、舌触り、そんなものを感じながら、何に合うかな? どんな味に仕上げよう?と考えるのですが、思い通りに行くことも、なかなか意図する味が出ないことも。
でも、そんな試行錯誤が迷路やクイズのようで楽しいのです。
ときには、いろいろ作るうちに最初に描いた味がぶれてしまって、糸が縺れるように迷宮に落ちてしまうこともありますが、そういうときはちょっと離れて、しばらく放っておきます。
そしたらまた、ある時突然に(だいたい寝る前、布団の中です(笑))あれはどう?!と閃いたりして。
でも、翌朝すっかり忘れていることも多々(爆)。
まぁ半分ゲームのようなものかも知れません。

昨夜、白桃を煮ました。
今朝、ヨーグルトと一緒に食べてみましたら、ちょっと甘すぎた。
でも、桃を煮たシロップが美味しくて、これを使って作ろう!と思うものがポコポコ浮かんできて、すっかり嬉しくなりました。
ちょっと酸っぱいオレンジがあるので、あれも煮てみよう。
いろんなフルーツが、いろんな楽しみをもたらせてくれます。
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by cssucre2 | 2010-09-15 11:05 | Work