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ネーミング

最近のケーキ屋さんのケーキの名前は、ときどき、とても難しかったりします。
フランス語の羅列の名前なんかあったりして、そういうのはまぁ、ガトー・ミルティーユ・エ・ヤウルトみたいな、使った素材に由来する名前だったり、でなければ、クール・ド・カシスとか形から来てたり、なんの脈絡もなく、イメージから来る象徴的なフランス語名だったり、もう全くワケがワカンナイだけではなく、読むのも混乱しながら、舌を噛みそうになるくらい発音しにくく、字数はもちろん多いので、普通は全然憶えられません。と、このセンテンスが意味なく長いくらい、意味のないことのように感じています。
こんなヤヤコシイ名前を、ショーケースのラベルに書いたところで、お客様が注文するのも困るじゃん?と思うのですが、そういうことは、肝心のネーミングの主はどう思っているのでしょう?
まぁね、ネーミングってのもある意味、主張だと思うので、それはソレでいいと思います。
でも、私が自分のケーキに名前を付けるときには、憶えやすくてわかりやすくて、ちょっと楽しい名前にしたいと思っています。

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これは、ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール・ショコラで、チェリーとバナナのマンゴピュレ和えとクレーム・シャンティイーを巻いた、単純なくせに、説明は舌を噛みそうなケーキですが、名前は「ショカ・ショコ・ロール」と言います。
ええとね、リズムがいいように、一応頭韻踏んでるんですよ。←と言わないと気付かれないところ辺りが、私の負けです。
「ショコ・ロール」はそのまんまチョコロールの意ですが、最初の「ショカ」ってのは「初夏」のことです(笑)。
チョコレート生地ですが、ビスキュイなのでとても軽く、しかも焼き時間8分です。暑くなってくると、長い時間、オーブンに火を入れたくないですもんね。
季節のチェリーとマンゴを使って、ついでにバナナでトロピカル気分をプラス(になっているのか?本当に>自分)。
なわけで、初夏のチョコロールってワケです。

蕎麦ちょこといい、ショカショコロールといい、最近ダジャレなネーミングばかりでちょっと反省していますが、まぁ憶えて貰いやすい名前がいいかと。
そして、こんな変な名前では多分、お店の菓子には有り得ませんから、おうちのお菓子としてレパートリーに定着してくれればいいなという、密かな願いも込めているのです。

私は、おうちのお菓子は、お店の真似っこなんかする必要はないと思っています。
おうちでしか作れない、おうちで作るからこそ、そのもののホントウのおいしさを味わえる菓子はいっぱいあります。
この、ビスキュイ・ア・ラ・キュイエールもそのひとつ。
オーブンに入れる前に粉糖をたっぷり振りかけて焼き上げると、砂糖がカサカサした表面が出来ます。
ペルレという状態ですが、このカサカサが維持できるのは、ほんの数時間の間だけ。
でも私は、このペルレな表面の食感がとても好きで、ぜひここを味わっていただきたいと思う。
菓子屋もそう思っているはずだと信じているのですが、残念ながらショーケースに入っているうちに、表面はだんだん泣いて(湿気って)きます。
折角のペルレも、しとしとになってしまえば、本来の食感は味わえません。残念無念。
でもね、おうちで作れば、そんなこともなく、表面のかさかさと、生地の軽いふわふわが同時に味わえるんですよ。なんてブラボー!(笑)

春には苺を巻いて、秋には栗を、そして名前は、ショシュ・ショコ・ロール。
冬には濃いチョコレート味のクリームで、ショト・ショコ・ロール。
オレンジに、ミルククリームを合わせて、オレ・オレ・ロールってのはどうかしらん?
あ、ついでに、オレオも砕いて一緒に巻いちゃって、オレ・オレ・オレオ・ロール(笑)。
妄想とダジャレは永遠です。

by cssucre2 | 2009-06-11 00:19 | 雑感 | Comments(0)